カテゴリー別アーカイブ: ジャズ生活

Second Instrument

盆休みに入ったので久々にギターを弾いてみた。指はたどたどしく、弦を押さえていると痛くなってくる。

ピアノは平行の動きだが、ギターは垂直と平行がある。ギターを触った後にピアノを弾くと最初変な感じがするのはそのためだろう。

ピアノを触って10年、気がつけばギターをやっていた時間よりも長い時間が経った。よって本来はピアノの方に愛着がわくはずなのだろうが、どうしても青春時代を共に過ごしたギターに対する愛着は特別なものだ。

ピアノを触り始めた頃、ギターの奏法や知識が直接役に立った事はない。ただ、ギターはコード楽器なのでコードの知識だけは豊富だった。それはジャズピアノを学ぶ上でとても役にたったように思う。反対にピアノを触った事でギターに対する見方は大きく変わった。やはりピアノは全能楽器なのだろう。

皆さんもぜひ二番目の楽器を探してみたらどうだろうか。

モチベーションの保ち方

何事もそうですが、ジャズを練習する上でモチベーションを保ち続けることはとても大切な事です。特に芸術分野は成長が緩やかであり、数年、数十年と長期に渡り努力を続けなければなりません。ひょっとしたら練習内容を考えるよりも優先しなければならい事かもしれません。 ここでは私の経験や幾つかの文献(国内、海外)をもとにモチベーション、いわゆる『やる気』を引き出す・維持する方法を模索してみたいと思います。続きを読む

歳をとって良かったと思うこと

若い時にはわからなかったことでも、歳をとってから初めて理解できることはたくさんある。
先日自宅の本の整理をしていたらジェリー・コカー氏著のジャズ・アドリブ入門を見つけた。実はこの本、私がジャズに興味を持った19歳の頃に購入した書籍である。

当時はジャズギターに夢中だったが、インターネットも無い時代、情報も不足しており、ジャズ関連の書籍、CDをそれこそ『霧中』で探していた。この本は梶井基次郎の檸檬で有名な京都の丸善で購入したと記憶している。音符もほとんどなく、CDなんて付いていないし、お世辞にも読みやすい本とはいえなかったが、単純にそのタイトルに惹かれたためでもあるし、アカデミック文章で綴られた序章を読むだけでなんだかジャズが分かったような気がした。結局ピザの配達のアルバイト代からお金を工面して手に入れた。

その後この本は他の派手な表紙の教則本の脇でひっそりと出番を待つことになるが、残念ながら願いは叶わなかった。哲学的な文章で綴られたジャズ論は、派手さと即効性を求める若者には退屈であったのだろう。無理もない。しかし数十年の時を経て、当時買った教則本の多くは中古本としてどこかの誰かが使っているなかで、どいうわけかこの本だけは手元に残っていた。そしてさらに数十年後、ようやくその知の扉を開くことになる。

直観、知性、感情、音感、習慣、主にこの5つの要素がジャズ演奏の即興に必要なものである—<略>—直観、感情、音感、習慣の4つは概して無意識に行われる。それゆえに即興をコントロールするのは知性である。—<以下概略>—これら5つの要素を均等に持つことは不可能であり、我々にコントロールできるのは知性だけである。引用『第一章』

第一章に綴られたこの文章は、おそらく若い時にも読んでいたであろう。しかし記憶に残っていないため、印象に残らなかったのだと思う。しかし、今この文章を読んでみると不思議とよく分かる。

歳をとってから新たに身につけることが困難なものは『無意識』の行動であると私は思う。上記によれば直観、感情、音感、習慣の4つである。なぜなら無意識の行動は過去の経験や訓練に基づいているためである。『感情』もしかり。感情は性格を決定づけると考えれば分かりやすいだろう。歳をとるにつれて性格の変化は減少し、興味・趣向も限局的になってくる。幼い頃からジャズに親しみ、音楽環境があり、親父は音楽プロデューサーで・・・などの環境で育った子どもは4つの要素が常人とは全く違うだろう。もちろん私なんて4つの要素は標準かそれ以下である。

しかし知性は違う。学ぶのに遅すぎることはない、という名言があるように、自分でコントロールできる唯一のツールであるこの知性、改めて大切にしなければ、と思った。

演奏は下手でもかまわない。音楽を学ぶ楽しさを一生の趣味にしていきたいと思う。

バート・バカラックコンサート2014

ずっと書きたいと思っていたが忙しくてようやく今頃になってしまった。

去る4月10日、渋谷のNHKホールでAn Evening with BURT BACHARACH 2014 and Tokyo New City Orchestraを鑑賞した。

A席で、お世辞にも間近で見られた訳ではないが、いくつかの名曲が聴けたことと、バカラック本人の醸し出すオーラというか、人生の大半をステージ上で過ごした人間の生き様は、50m離れていても十分に感じることができた。

曲目はほとんどがベスト盤。『Raindrops Keep Fallin’ On My Head(雨にぬれても)』をはじめとして、バカラックに馴染みのないものでも「聞いたことがある」名曲が東京ニューシティ管弦楽団の伴奏とともに観衆を飽きさせること無く次々と演奏された。バカラックが歌ったものはわずか2曲のみ。掠れ声で原曲キーをいくつか下げていたように思う。まあもちろん齢80をこえるアーティストに現役時代のショーを期待するのは無理というもので、バカラックのコンサートというよりバカラックをバンドマスターとした「バカラック・バンド」として楽しめば相当満足である。

実際バカラック・バンドのメンバーは相当ゴージャスである。まさにバカラックお墨付きの若手、準若手メンバーであり、まるでマイケルジャクソンバンド(無名のダンサーの登竜門)に近い。といってもBill Cantos(Keyboards)、David Joyce(Keyboards)、David Coy(Bass)、John Ferraro(Drums)、Thomas Ehlen(Trumpet/Flugelhorn)、Dennis Wilson(Woodwinds)、Marlyse Martinez(Violin)など、超一流アーティストであり、特にシンガー陣の、Josie James(Singer)、John Pagano(Singer)、Donna Taylor(Singer)はソロで活躍しているアーティスト達で、もはや「バカラックのコンサートか?」と思わせるような歌唱力で会場を食っていた。キーボードのBill Cantosはアルバムを数枚リリースしているシンガーである。バカラックが急に「お前が歌え」とキーボーディストにふるシーンがあったが、その時歌いだしたのがBill Cantosである。普通のキーボードと思っていたところ、歌いだしで巧すぎて「何者なんだ?」と誰もが思ったはずであるが、こういうわけである。

バカラックはシンガーであり、アーティストであり一流のパフォーマーであることを深く認識できるコンサートであった。次回の来日はいつになるかわからないが、観れたことを幸運に思う。

Podcastでジャズ

WBGO Live at the Village Vanguard Podcastが好きでよく聴いている。ライブさながらの臨場感と所々に入るMCが一息つけてよい。BGMほどは聴き流せないが、アルバム1枚聴くのに比べれば、聴くということに変なプレッシャーを与えない。中でも特にお気に入りはKurt Rosenwinkelである。

Kurtは1970年合衆国生まれのジャズギタリストで、オランダのジャズギタリストであるJesse van rullerと同世代である。ジャズギターを弾いていた頃からわたしはJesseが大好きで、Kurtはその次、といった感じだった。どちらも前衛的で叙情的でテクニシャンでもあり、ファーストアルバムが1996年頃だったと思うが、とにかくジャズギター界に新星登場ということで盛り上がったものである。

しかしPodcastを聞く理由は実はKurtが目当てではない。Kurtのバンドに参加しているピアニストのAaron Parksである。1983年生まれの若手だが、14歳でワシントン大学へ飛び級進学した秀才である。『第2のブラメ』と称されるその演奏は独特の世界観を醸し出しており、時に情熱的に、そして時には牧歌的な音階を奏でていく。興味が湧いたのでアルバムをいくつか購入してみた。どれも素晴らしいが、やはり前述のプレッシャーを感じない気軽さが癖になりPodcastを聴いている。

ジャズにおけるKindle活用法

ご存知の方も多いと思いますが、アマゾンの電子書籍端末Kindle Paperwhite。数年前まで操作がボタン式だったのですが、ここ2年の間に完全にタッチパネルに移行されました。そして2013年モデルでは処理速度も上がり、ほとんどストレス無く操作できるようになっています。Kindle PaperwhiteはAmazon電子書籍専用の端末なので、読みたい本は全てAmazonからダウンロードすることになります。蔵書数は数十万に及びますが、実はジャズ教則本が割と充実しているのをご存知ですか…つづきを読む

結構すごいGarageband for iPad/iPhone

本当にいまさらだが、GarageBand – Appleをポチッとダウンロードした。
自宅のMacにGaragebandが入っているため、とくにAppというモバイルの必要性を感じていなかったのだが、最近通勤中の電車の中で『あれ、あの音なんだったっけ』などと思う事が多く、また簡単なフレーズの練習にもなるかなと思ってとりあえず無料の鍵盤アプリを入れてみた。通勤電車で少年ジャンプを読んでいるオッサンもたいがいだが、吊り革につかまりながら鍵盤を叩いているオッサンもかなりシュールだろう。しかし人生は短い。ナリフリ構っていられない。

鍵盤アプリではVirtuoso Piano Pro Classic – Peter Nagyあたりが有名だが、慣れてくると、ピアノだけじゃなく、ギターもドラムも弾いてみたい、更には通勤中に作曲できるんじゃないかな、と色々欲が出てくる。

GarageBand – Appleを購入した理由はその安さだ。いま450円ですぞ。信じられない。感覚的に1700円くらいしたかなと思っていたので驚いた。そしてその機能の素晴らしさ。これ本当に買ったほうがいいよ。ちなみにiPad/iPhone両方で使えます。

ちなみに最近購入したM-AUDIO 32鍵超小型キーボード・コントローラ Keystation Mini 32 MA-CON-013
を繋げたら旅先でも公園でもカフェでも練習ができます。

BELDENスピーカーケーブル

数年前の記事でスピーカーケーブルを替えると劇的に音が変化することを書いた。
今回新たにBELDEN スピーカーケーブル 8460-5mを購入したのでレポートする。

私はそもそもオーディオマニアではないのでこういった領域には全く明るくないが、有識者の間ではかなり有名なケーブルらしい。

注文して2日後、ケーブルは簡易包装で無事届いた。第一印象は細い、ということだ。太いケーブル=良いケーブルと思っていたので多少拍子抜けしたが、芯を剥き出す段階でかなり苦労した(指を負傷した)。芯がかなり頑丈にできているためで、やはりフニャフニャした通常の細いケーブルとは一線を画する出来だ。

ちなみに恥ずかしながらコンポはDENON RCD-M38、スピーカーは前回と変わらずSC-252E(17年になる)で、とても音を語る環境ではないが、しかしおもちゃみたいなコンポでどこまで音質向上できるかは試してみる価値がある。金かけりゃ良いもの買えるのは分かっているんだし。

まずパウエルの『異教徒たちのダンス』を流した後、交換してみた。実はたいして期待もしていなかったのだが、サックスのイントロが流れた瞬間から「あれ?変わった』と素直な感想が口をついて出てきた。多くのレビューに書いてあるようにやけにくっきりした音になった。なんというかこれまで籠もりがちだった高音域が素直に耳に届く。それはウェスモンゴメリーのThe Incredible Jazz Guitarを流してはっきりと認識できた。このアルバム、時折プチプチッというノイズが聞こえるのだが、これまではヘッドフォンでしか分からなかった。それがケーブルを変えたとたん聞こえ始めた。解像度が高い、ということなのだろうけど、正直気に入った。ニヤけた。色々CD引っ張りだして聞いた。なんといっても2本で1500円ですぞ。ハイコストパフォーマンスじゃないですか。やはりオーディオにケーブルは重要ですね。

Appleロスレスは素晴らしい

一般家庭でも気軽にCDを楽しめるようになったのは私が中学生の頃である。
それまでのカセットテープに比べて音質がどうとか、省スペースで保存できるとか(CDケースはカセットテープの半分の厚さ)、そういった難しいことは中坊の私には興味はなく、ひたすら見栄と自慢のため親にCDコンポをおねだりし、さらに修学旅行で移動中に自慢できるからといってポータブルCDプレーヤを買ってもらったりした記憶がある。ちなみにCDウォークマンはいまだファンがいて、メーカーが販売している。

今になって思うと大変贅沢な音質で音楽を聴いていたことになる。なんてったってCDは1411kbps、最近当たり前になっているmp3、AACなどは128kbps〜330kbps(kbps:音の情報量)である。我々は利便性を優先した結果、最大で90%を超える『音の損失』を許容していることになる。

iTuneの読み込み設定にApple Losslessがあるが、実は一度も使った事が無い。
Appleロスレスは『音質をロスせずに圧縮されたファイル』ということで、音質はCDと同等であると詠っている。
それでは、通常の圧縮に比べどれだけ音質が向上するのかというと、試しにMiles Davisのアルバム『Kind of Blue』よりBlue in Greenで比較してみる。このアルバムは元々録音がよく、さらにシンプルな楽器編成、マイルスのトランペット、コルトレーンのテナーの伸びやかな音質を存分に楽しむ事が出来る名盤。そして何よりも私自身が良く聴いているアルバムなので比較するには最適であると考えた。

機器はiPod touch 5th。ヘッドフォンも付属のもの。

まずはAAC(128kbps)。これは誰の耳にも明らかだろう。圧倒的な差でAppleロスレスに軍配が上がる。しかしそもそも128kbpsではジャズなんて聴く気にもなれない。128kbpsが好きなら『きゃりーぱみゅぱみゅ』でも聴いてたらよろしい。

次にAAC(330kbps)。これでも十分音質は良い。おそらく多くの人はそう感じるだろう。しかし、やはりこれも良く聴く曲だからこそ分かったのだろうが、少なくとも私には違いが感じられた。目隠ししても結果は同じだった。Appleロスレスのほうが楽器の臨場感、倍音の響き、ロングトーンの伸び、要するに『質』が異なる気がした。通勤電車の中で改めて聴き直してみる。コルトレーンのメラリンコリックなテナーの響きに思わずニヤけてしまった。京浜東北線の車内、まるで3席先のシルバーシートにコルトレーンが座って吹いている、そんな臨場感があった。

そんなわけで色々なアルバムをAppleロスレスで再読み込みしてみる。人間とは不思議なもので、良いものを知るとそれまで使っていたものが惨めに思えてくる。全く。ハマると抜け出せない性格なので冷静に、できるものからボチボチ再読み込みしていこう。しかしAppleロスレスにも問題点がある。最大の問題点はファイルのサイズが恐ろしく大きいことだ。

先のBlue in GreenのAAC(330kbps)ではファイルサイズはおよそ15MB程度、Appleロスレスでは30MBと、およそ2倍である。まあ要するに現在iPodに入っている楽曲すべてをAppleロスレスにするには今の倍の用量を持つiPodが必要になるという計算だ。新しいiPod買うなんてことは馬鹿げているので、好きな曲のみAppleロスレスで読み込むことにした。しかし本音のところ、iPod Classicでも買って良質な音楽を思う存分楽しみたい。