月別アーカイブ: 2012年2月

ジャズ初心者、中級者、上級者(ピアノ編)

(ピアノ編)
【楽器の熟練度】

S級:音大生(音大卒)レベル、基本的に楽譜があればたいていなんでもできるし、一通りの演奏技術を十分にもっている。発表会経験あり。譜読み可能

A級:人前で例えばクラシックやポップスの名曲を間違えずにきちんと演奏でき、しっかりした運指が身に付いている。譜読み可能
B級:左手と右手のユニゾンで音階が3オクターブ上下できる。左手で和音を押さえられる。譜読みは最低限で曲次第。
C級:右手も左手も上手くは動かないが鍵盤を独立して押さえる事ができる。譜読み不可。
D級:右手のみでメロディーを弾けるが左手は置物状態。
補足
音大にも学科など色々あるので一概に言えないが、世間一般にみれば多感な青春時代に数年間音楽を専門に勉強した、また音楽の試験というハードルをクリアしてきたものがS級でないわけはないし、そうあるべきだと思う。よって音大関係は無条件でS級とする。私のサイトでも書いているが、個人的にはジャズを演奏するには最低でもB級は必要だと思う。そしてB級が『練習すれば必ず誰でも到達できるライン』であると自身の経験からも信じている。
いずれにせよ次に説明するジャズ熟練度がいずれのレベルであれ、楽器の熟練度がB級に満たないものはすべて入門~初心者レベルである。
【ジャズ熟練度】
入門レベル:


ふとしたきっかけでジャズが好きになり、自分なりにテキストを買って勉強したが、ジャズの曲が体に染み付いていないのでジャムセッションなどでのソロ回しで必ずロストする。
曲のコード進行がいまいち分からないし、コード自体の知識も浅い。コード譜をみてコードを押さえられない。
楽器の熟練度がB~S級の人でジャズ入門レベルの人ならば、とりあえず楽譜を買ってきてそのとおり弾いてジャズを弾いた気になってしまう。

初心者レベル:


多くの曲を聴いてジャズを体にしみ込ませた。
ロストせずソロ回しできる曲が3曲以上あり、1曲程度なら譜面無しでも弾ける。コードの仕組みも頭では理解したが体感的には理解していないので、いつも自分の弾くコードにぎょっとする。
さらに、知らない曲や初見のコード譜、急な転調では全く対応できない。
これだけはと思う自信曲でさえアドリブのレベルはたどたどしく、とってつけたようなフレーズしか弾けないので、一般人が聴けば『なんか色々やってたね』『何弾いてたかよくわからん』『まあ、これからだね』という感想。
自分の演奏に一番落ち込む時期で安定剤2錠が欠かせない。録音必須。
中級者:
ジャムセッションで良く演奏される曲はとりあえず伴奏(バッキング)できるし、ロストしないし、初見譜面でもごまかして伴奏できる。
ジャズをよく聴くし、肌レベルで身に付いている。曲数の目安としては20曲以上が伴奏、各2コーラス程度のアドリブ可能。うち数曲は譜面無しで演奏できる。
アドリブはどの曲でもそこそこの形にできるが、曲によって差が激しい。例えば枯葉はゴリゴリと目隠しでも弾けるが、All the things you areではE転調が恐ろしく、21小節目が近づくにつれ心臓がバクバクする。意外にall of meなどのC調の曲が苦手である。
状況によってはロストする。しかし演奏全体としてはまとまっているため、たとえ指がうまくまわらないために(楽器の熟練度B級程度)たどたどしい演奏でも『そういうスタイルの演奏』と周りが納得してしまう不思議なオーラがある。
『どこかで習われているんですか』と声をかけられることも多くなる。実際初心者レベルのジャムセッションに出没する最も多い層である。またやれることとやれないことがはっきりするレベルでもある。このレベルに到達するためには楽器の熟練度B級は必ず必要である。
上級者A:
中級での不完全さをある程度クリアしている状態。ジャムセッションで演奏される大抵の曲のイントロ、エンディングができるし、曲として形にできる。
共演者の音も聴ける余裕があり、アドリブにもまとまりがある。どのような曲でもそれなりに形にできる。例えドラムが床に穴があきそうなほどスティックを振り回してソロをとったとしてもロストなどありえない。
一般的には『上手い』と評されるが本人はまだまだと感じている。このレベルになると初心者ジャムの参加はかえって迷惑であり、心臓ばくばくの真の初心者をとことん追いつめる結果になるので、むしろホスト役に徹するべし。転調された歌の伴奏もある程度なら形にできる。
ちなみにこのレベルであると楽器への熟練度はB、A、Sと様々だが(最低Bは必要だし、ここまでになるにはどう考えてもBが必要である)、実際技術はあまり意味をなさない。つまりテクがあるかどうかは『演奏スタイル』になる。


上級者B:
ジャム場のホスト役ができる。歌の伴奏もできる。ジャズスタンダードはイントロ、エンディングなんでもこなす。転調の多い早いバップの曲もこなせる、自分のホームページで宣伝できるし、ほとんどプロと変わりない。時間が許せばバンドでライブが可能で、ここまでくるとプロかどうかは本人の覚悟と運の問題である。

ジャズ初心者、中級者、上級者

よくジャムセッションなどで初心者歓迎しますと謳っている場合がある。私も自身のサイトで初心者の方は、などと書く事があるが、この初心者、ときには中級者、上級者向けなど、定義がかなり曖昧である。
それで私なりの定義をここではっきりさせたいと思う。
しかし正直なところこれはかなり難しい。なぜならまず楽器を演奏するレベルとジャズを演奏するレベルを分けて考える必要があるからだ。
例えばピアノ。極端な例だがピアノの演奏技術は申し分ない場合、つまり音大のピアノ科を出ている場合(もちろんこのピアノ技術も果てしない上があるわけで、音大出といってもピアニストの中ではそれでも技術がないとされる場合もある)、でジャズを全く弾けない(ソロ回しができないし、曲の途中でロストするし、伴奏も譜面をみながらの杓子定規にしかできない、アドリブもできない)人は初心者か?
かたやピアノ技術は世間からみてもたどたどしいがジャズをよく知っており曲の途中でロストしたりしないし、バッキングはできるし、ルールを熟知しているものはジャズ上級者か?
これらはサックスにもギターにもあてはまるだろう。
おそらく世間一般の人がこの2名のジャズ演奏を聴いたとして、その評価は両者とも『初心者』ではないかと思う。
このようにジャズプレイヤーをレベル分けする場合、楽器の熟練度と、いわばジャズ特有の演奏技法の熟練度という2因子が絡まっていることを考慮した上で私なりの定義をしてみたい。